紀州の民間療法記記(原文5)

紀州の民間療法記記(原文)

  1. 婦女の陰
  2. ニラ
  3. ツゲ
  4. ハコネシダ
  5. シーボルトミミズ
  6. キジの爪
  7. ウサギの手、モグラの手
  8. 初なすび、スベリヒユ
  9. コンニャク
  10. モグラの手 追記
  11. 菖蒲
  12. キンカン
  13. 琴の一の緒、白いアヒル、黒いチャボ
  14. サルカキイバラのキクイムシ、蜂蜜
  15. コバンザメの吸盤
  16. 蒔かずの稲の米
  17. ニワトリの頭
  18. イチジクの枝葉
  19. テリハノイバラの花
  20. 尾長糞蛆の黒焼き
  21. 病をきる
  22. 梅酢

5 勘太郎(シーボルトミミズ)

 

 山中に住む人に淋病多し。西牟婁郡兵生などで、木挽輩その薬とて、勘太郎という碧紫色の大蚯蚓、長(たけ )七、八寸あるを採り、裂きて土砂を去り、その肉まだ動きおるを食う。実に見るも胸悪い。

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「紀州の民間療法記記」は『南方熊楠全集 第2巻』(平凡社)に所収。

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