紀州の民間療法記記(原文14)

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紀州の民間療法記記(原文)

  • 1 婦女の陰
  • 2 ニラ
  • 3 ツゲ
  • 4 ハコネシダ
  • 5 シーボルトミミズ
  • 6 キジの爪
  • 7 ウサギの手、モグラの手
  • 8 初なすび、スベリヒユ
  • 9 コンニャク
  • 10 モグラの手 追記
  • 11 菖蒲
  • 12 キンカン
  • 13 琴の一の緒、白いアヒル、黒いチャボ
  • 14 サルカキイバラのキクイムシ、蜂蜜
  • 15 コバンザメの吸盤
  • 16 蒔かずの稲の米
  • 17 ニワトリの頭
  • 18 イチジクの枝葉
  • 19 テリハノイバラの花
  • 20 尾長糞蛆の黒焼き
  • 21 病をきる
  • 22 梅酢
  • 23 蘆
  • 14 サルカキイバラのキクイムシ、蜂蜜

     

     田辺から四里ばかり鮎川という所に、猴掻荊(さるかきいばら)とて鉤曲がりつける葛(かずら)あり、一本ごとに必ず雌雄一対の蠧(きくいむし)住む。黒焼にして服すると脳病を治す、と。猴掻荊とは鉤藤(かぎかずら)のことだろう。西牟婁郡二川村大字兵生で聞いたは、蜂蜜をそのまま用ゆれば通じを開き、温めて用ゆれば瀉痢を止む、と。

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    「紀州の民間療法記記」は『南方熊楠全集 第2巻』(平凡社)に所収。

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