紀州の民間療法記記(原文15)

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紀州の民間療法記記(原文)

  • 1 婦女の陰
  • 2 ニラ
  • 3 ツゲ
  • 4 ハコネシダ
  • 5 シーボルトミミズ
  • 6 キジの爪
  • 7 ウサギの手、モグラの手
  • 8 初なすび、スベリヒユ
  • 9 コンニャク
  • 10 モグラの手 追記
  • 11 菖蒲
  • 12 キンカン
  • 13 琴の一の緒、白いアヒル、黒いチャボ
  • 14 サルカキイバラのキクイムシ、蜂蜜
  • 15 コバンザメの吸盤
  • 16 蒔かずの稲の米
  • 17 ニワトリの頭
  • 18 イチジクの枝葉
  • 19 テリハノイバラの花
  • 20 尾長糞蛆の黒焼き
  • 21 病をきる
  • 22 梅酢
  • 23 蘆
  • 15 コバンザメの吸盤

     

     田辺の漁婦六十歳ほどなるが、印魚(こばんうお:方言やすら) の頭にある小判形の吮著器(サッカー)を多く貯え、熱冷しまた下痢の人に施すに神効ありと言う。骨ごとき硬い物で何の味わいなし。二寸ばかり長きをおよそ三分一ばかり切って味噌汁で薄く仕立てて服するのだ。

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    「紀州の民間療法記記」は『南方熊楠全集 第2巻』(平凡社)に所収。

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