紀州俗伝(現代語訳4-19)

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紀州俗伝(現代語訳)

  • 3-1 師走狐
  • 3-2 狐の仕返し
  • 3-3 ホタル来い
  • 3-4 雀と燕
  • 3-5 今生まれた子限り
  • 3-6 カイコの舎利
  • 3-7 月の8日
  • 3-8 欲深いシャレ
  • 3-9 2つの鐘
  • 3-10 比丘尼剥
  • 4-1 師走狐の鳴き声
  • 4-2 雨乞いの池
  • 4-3 フクロウと天気
  • 4-4 ホタル来い
  • 4-5 鰹鳥
  • 4-6 宵の蜘蛛、朝の蜘蛛
  • 4-7 他人の足の裏
  • 4-8 狐と硫黄
  • 4-9 早口言葉
  • 4-10 狼を山の神と
  • 4-11 女に化けるアナグマ
  • 4-12 葉巻煙草
  • 4-13 一文蛤
  • 4-14 高野山の井戸
  • 4-15 蝸牛の囃し詞
  • 4-16 壁の腰張り
  • 4-17 ムカデとマムシ
  • 4-18 足のしびれを直す方法
  • 4-19 熊野詣の手鞠唄異伝2
  • 4-20 人買い
  • 4-21 ホオズキ
  • 4-22 玄猪
  • 4-23 茶釜の蓋
  • 4-24 コオロギの鳴き声
  • 4-25 トンボ捕り
  • 4-26 そばまきとんぼ
  • 4-27 木偶茶屋
  • 4-28 七つ七里
  • 4-29 油虫

  • 4-19 熊野詣の手鞠唄異伝2

     

    手鞠
    Japanese folk art; Temari;手鞠 / Conveyor belt sushi

     熊野詣りの手鞠唄、 田辺よりわずかに7、8町隔たった神子浜で唄うのは、末段が田辺のと違う、「燈心で括って、京の町へ売りに行って、叔母様に逢って、隠れ所無くって雪隠へ隠れてビチ糞で滑って、堅糞で肩打った」。

    この唄の意味は何とも知れがたいが、田辺のは、熊野詣りのところ、女が途中の仏堂へ無理矢理連れて行き強辱される次第を表し、今ここに記したのは、誘拐されて京都の花街などへ売れ、そこで故郷より登った親族に邂逅して羞じ隠れることを表したのかと推察される。

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    「紀州俗伝」は『南方随筆』(沖積舎) に所収。

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