紀州俗伝(現代語訳2-19)

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紀州俗伝(現代語訳)

  • 1-1 和尚に化けるキツネ
  • 1-2 除夜のお風呂
  • 1-3 吃りの真似
  • 1-4 熊野詣の手鞠唄
  • 1-5 熊野詣の手鞠唄異伝
  • 1-6 指が腐る
  • 2-1 小児の陰腫
  • 2-2 見た者カラス
  • 2-3 餅と塩
  • 2-4 栗の毒
  • 2-5 歯痛のまじない
  • 2-6 牧野兵庫頭
  • 2-7 耳の赤い猟犬
  • 2-8 閾の上を踏む罪
  • 2-9 卵の殻
  • 2-10 白花の紫雲英
  • 2-11 井戸に落ちた子
  • 2-12 大塔山
  • 2-13 鵁○の嫁入り
  • 2-14 ノミを取る人取らぬ人
  • 2-15 夜に爪を切る
  • 2-16 感冒
  • 2-17 盗人
  • 2-18 なた豆
  • 2-19 黒猫

  • 2-19 黒猫

     

    黒猫
    1183 : Thinking cat / sakura_chihaya+

     田辺で、黒い猫を腹に載せれば、癪を治すと言う。明和頃出版(?)の壷菫という小説に、鬱症の者が黒猫を飼うと治るとあった。予がかつてドイツ生まれのユダヤ人に聞いたのは、鬱症に黒猫は最も有害だと。

    また猫を飼うとき年期を約束して養うと、その期限が尽きればどこかへ去る。また猫が成長して1貫目の重量に及べば祝う。いずれも田辺の昔からの習慣である。

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    「紀州俗伝」は『南方随筆』(沖積舎) に所収。

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