酒井潔

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  • 酒井潔(さかい きよし)

    酒井潔(1895年〜1952年)。本名、酒井精一。
    魔術・秘薬・性愛に関する文献を収集し、梅原北明らとともに文献の紹介をしました。
    おもな著作に『愛の魔術』『らぶ・ひるたあ』『薫苑夜話』『悪魔学大全』などがあります。訳書に『アラビヤン・ナイツ』など。

    南方熊楠(1867~1941)は酒井潔の憧れの人物であり、酒井潔は1930年に田辺の熊楠邸を訪ね、その訪問記を、個人雑誌『談奇』にを掲載しました(「南方先生訪問記」)。
    「南方先生訪問記」は『悪魔学大全〈2〉』(学研M文庫)に併録されています。



    酒井潔

    南方熊楠の手紙:浄愛と不浄愛,粘菌の生態,幻像,その他(現代語訳22)
    まずはこんな事情だから、これほどの経歴がありこれほどの自信がある人でなければ、数百年前の男道を小説に作るなどということは至難の技で、例のハースー式の枕本の書き割りまがいの物の他はできないだろうと存じます。もし清き男道のことを書こうとするならば、古ギリシアの関係文書を熟読し、また本邦の武士道の書どもを考察してから後にとりかかられるべきだ。酒井潔とか梅原某のように、ただこれをひとつの娯楽淫戯としてとりかかるならば、男女関係に似て、しかも奇形不具極まるものの他は、どうもがいても出来ないだろう。


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