山海経

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    山海経は中国最古の地理書。紀元前の戦国時代から秦・漢期にかけて徐々に加筆されて数百年かけて3世紀に完成。

    中国各地の動植物、鉱物などの産物を記すが、妖怪や神々など空想的なものの記述も多く含まれていて面白い。中国各地の古い神話がその記事に伝えられていると考えられます。



    山海経

    南方熊楠の手紙:山男について、神社合祀反対運動の開始、その他(現代語訳5)
    『山海経』に、「狒々、その様、人の顔のようで、唇が長く、黒い体に毛があり、反踵(はんしょう)する(上で言った cross-roll を演ずるように、脚の踵を見る人の方に向けるのだ)。人を見れば笑い、笑えば唇を上げて、その目を覆う」(これは上文のようだ。小生はいつも目撃した)。

    南方熊楠の随筆:十二支考 虎に関する史話と伝説民俗(その30)

    文選』を見ると漢朝神虎殿あり、『山海経せんがいきょう』に崑崙山の神陸吾りくご虎身九尾人面虎爪、この神天の九部と天帝の囿時ゆうじを司ると見え、『神仙伝』(『淵鑑』二七に引く)に山陽の人東郭延、仙道成りて数十人虎豹に乗り来り迎う、親友に別れていわく崑崙山に詣るとあるから、崑崙山の神は虎と人の間種あいのこごときもので虎豹を使うたのだ、

    南方熊楠の随筆:十二支考 虎に関する史話と伝説民俗(その31)
    山海経』など見ると、上古から虎身とか虎頭とかの神や怪物が支那に満ちおったらしい、例せば『呂覧』に載せた和山の吉神泰※たいほう[#「ころもへん+逢」、68-5]かたち人のごとく虎の尾出で入るに光あり、能く天地を動かし雲雨を興す、小説『西遊記』などに虎の怪多きを見て、いかに支那人が深く虎を不思議としたかが分る。

    南方熊楠の随筆:十二支考 虎に関する史話と伝説民俗(その36)
    山海経』に崑崙の西に玉山あり西王母せいおうぼ居る、〈西王そのかたち人のごとし、豹尾虎歯にして善く嘯く、蓬髪ほうはつ勝をいただく、これ天の※(「厂+萬」、第3水準1-14-84)※(「厂+萬」、第3水準1-14-84)※(「宀/火」、第4水準2-79-59)わざわいなり)および五残(残殺の気なり)を司る〉。


    南方熊楠の随筆:十二支考 虎に関する史話と伝説民俗(その38)
    智者大師説『金光明経文句』の釈捨身ぼんの虎子頭上七点あるを見て生まれてすでに七日なるを知る事『山海経』にづとあるが、予はかかる事『山海経』にあるをおぼえず。またくだんの説はインド説か支那説かまた智者自身の手製か否かをも知らぬ。


    南方熊楠の随筆:十二支考 兎に関する民俗と伝説(その2)
    山海経せんがいきょう』に〈飛兎背上毛を以て飛び去る〉とあるも跳兎らしい。

    南方熊楠の随筆:田原藤太竜宮入りの話(その18)
    山海経』に、〈泰華山蛇あり肥遺と名づく、六足四翼あり〉など、竜属翼ある記事も若干ある。


    南方熊楠の随筆:田原藤太竜宮入りの話(その40)
    馬琴が言うた通り巴蛇象を食い三年して骨を出すと『山海経せんがいきょう』にあれば古く支那で言うた事で、ローマのプリニウスの『博物志ヒストリア・ナチュラリス』八巻十一章にも、インドの大竜大象と闘うてこれを捲き殺し地にたおるる重量で竜もつぶれ死すと見ゆ


    南方熊楠の随筆:十二支考 蛇に関する民俗と伝説(その6)
    山海経せんがいきょう』に巴蛇はじゃ象を呑む、一六八三年ヴェネチア版ヴィンセンツオ・マリヤの『東方行記イル・ヴィアジオ・オリエンタリ』四一六頁にインドのマズレ辺に長九丈に達する巨蛇ありて能く象を捲き殺す、その脂は薬用さる、

    南方熊楠の随筆:十二支考 蛇に関する民俗と伝説(その6)
    山海経』に〈崑崙こんろん山西北に山あり、周囲三万里、巨蛇これを繞り三周するを得、蛇ために長九万里、蛇この上におり、滄海そうかいに飲食す〉。


    南方熊楠の随筆:十二支考 馬に関する民俗と伝説(その9)
    支那最古の書てふ『山海経』に、〈旄馬ぼうばそのかたち馬のごとし、四節毛あり〉、『事物紺珠かんじゅ』に〈旄馬足四節ばかり、毛垂る、南海外に出づ〉。

    南方熊楠の随筆:十二支考 馬に関する民俗と伝説(その9)
    山海経』に、
    ※(「木+丑」、第3水準1-85-51)ちゅうようの山、獣あり、その状馬のごとくして白首、そのもん虎のごとくして赤尾、その音うたうがごとし、その名鹿蜀ろくしょくという〉
    と出で、その図すこぶる花驢に類す。


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