紀州の民間療法記(現代語訳4)

紀州の民間療法記(現代語訳)

  • 1 婦女の陰毛
  • 2 ニラ
  • 3 黄楊
  • 4 おとなえそう
  • 5 勘太郎
  • 6 雉の爪
  • 7 兎の手
  • 8 初茄子、スベリヒユ
  • 9 蒟蒻

  • 4 おとなえそう(箱根草)

     

     「おとなえそう」という物がリュウマチに神効があるといって、熊野辺を求め行く人が多い。前年予が那智に居ったとき20里ばかり旅して求めに来た人があった。予は諸処でその草を大切に蔵しているのを見ると、箱根草というシダに他ならない。

    和漢三才図会』九二末に「相伝えて言う、産前産後の諸血症痰飲を治す。昔、アイルランド人がこれを見て、よい草があると誉め、これを採って得ることの許しを求めた。甚だもって珍しい」とある。箱根で採ったから箱根草といったらしい。

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    「紀州の民間療法記」は『続南方随筆』(沖積舎) に所収。

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