紀州俗伝(現代語訳1-6)

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紀州俗伝(現代語訳)

  • 1-1 和尚に化けるキツネ
  • 1-2 除夜のお風呂
  • 1-3 吃りの真似
  • 1-4 熊野詣の手鞠唄
  • 1-5 熊野詣の手鞠唄異伝
  • 1-6 指が腐る
  • 2-1 小児の陰腫
  • 2-2 見た者カラス
  • 2-3 餅と塩
  • 2-4 栗の毒
  • 2-5 歯痛のまじない
  • 2-6 牧野兵庫頭
  • 2-7 耳の赤い猟犬
  • 2-8 閾の上を踏む罪
  • 2-9 卵の殻
  • 2-10 白花の紫雲英
  • 2-11 井戸に落ちた子
  • 2-12 大塔山
  • 2-13 鵁○の嫁入り
  • 2-14 ノミを取る人取らぬ人
  • 2-15 夜に爪を切る
  • 2-16 感冒
  • 2-17 盗人
  • 2-18 なた豆
  • 2-19 黒猫

  • 1-6 指が腐る

    トカゲ
    lizard / ajari

     西牟婁郡でケラは仏の使い者で御器洗うと呼ぶ。またトカゲは毒烈しく指差すとたちまちその指が腐るといって、不意に指差したとき、「トカゲちょろちょろ尾の指(汝の指?)腐れ、己の指金じゃ」と唱える。東牟婁郡勝浦辺りではキノコを指差せば指が腐ると心得た老人もいた。

    田辺で家の入口の人が多く踏む所に、寛永四文銭抔を一文釘で地に打ち付けている。歯痛を防ぐためだ。また白紙を一二が二と唱えて横に折り、二三が六と唱えて縦に折り、また二四が八と唱えて横に折る。さてこれを家の南の柱に釘で留め置き、歯が痛むとき、金槌でその釘を打つとたちまち治ると言う。

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    「紀州俗伝」は『南方随筆』(沖積舎) に所収。

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