平瀬作五郎

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  • 平瀬作五郎(ひらせ さくごろう)

    平瀬作五郎(1856年〜1925年)は、明治・大正期の植物学者。

    1894年1月、イチョウの精子を世界ではじめて確認した。
    世界で初めての裸子植物における精子の発見である。

    南方熊楠(1867年〜1941年)と協同して松葉欄の発生順序の研究を行なった。



    平瀬作五郎

    南方熊楠の手紙:履歴書(現代語訳17)
    前年平瀬作五郎氏(74歳で今年1月4日死亡。この人は胃腸の受精作用を発見して世界を驚かせたが学位なしで死んだ)に恩賜賞金をくだされたとき、小生と協同してその賞金を使って松葉欄の発生順序の研究に全力を尽くすこととし、小生は自宅に多くの松葉欄を植えて実地検証し、平瀬氏は京都にいて毎年当地へ下り来て、小生の報告と生本を受けて持ち帰り、もっぱら解剖検鏡することと定め、14年の長きにわたって研究した結果、小生は鰹の煮汁を地に捨てて生じる微細の菌を万年青(おもと)の根に繁殖させ、それに松葉欄の胞子をまけば発生することをつきとめた。しかし、我輩が研究しようとする状態は毎度地中にあって行なわれ、新芽が地上に現われるときは我輩が解明しようとする状態はすでに失われている。

    しかしながら、この植物が必ず発生するようその胞子をまく方法を知った上は、件の状態を明らかにすることは遠いことではないと2人ますます協力発奮するうち、豪州の2学者が相期せずして、この松葉欄の発生順序を発見し、エジンバラの学会に報告したとのことを聞き出して、小生から平瀬に報せたところ、平瀬が東大へ聞き合わせてその事実であることを知り、力を落として多年の研究をやめたのは、さる大正9年頃のことであった。


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